火曜日, 2月 07, 2006

絵本の世界(その3)

優れた絵本は、洗練された美しい日本語によって綴られています。子どもは、未知の美しい日本語を、親の声を通して語られる物語の楽しさと共に身に付けていくのです。絵本を読んでもらっている子どもの言葉の発達が早く、表現も豊かなのは、そのためです。
言葉は、考え、思い、学び、表現するための手立てです。言葉が豊かになることは、考えや思いが豊かになることです。それは、人が人らしく生き、社会の中で人々と関わりを持って暮らしていくうえで、どんなにか大切なことでしょう。
これほど言葉の力は、親から子へのやさしい語りかけや、絵本を読んであげるというような、温かく、人間的なふれあいをとおしてこそ、より豊かに得られていくのです。

月曜日, 2月 06, 2006

絵本の世界(その2)

子どもはお話が好き、絵本が好き。そうでない子がいるとすれば、その子は、好きになる方法と、まだ出会っていないのです。でも、なぜ、子どもは絵本が好きなのでしょう。
それは、子どもには、絵本のもたらすものが、こよなく心地よく、同時に、自分が成長していくうえで、絵本の持つ恵みが欠かせないものと、自分自身が本能的に分かっているからにちがいありません。

 子どもは絵本を読んでもらいながら、一心に絵を見ています。こどもにとって、絵本の絵は、おそらく生まれて初めて出合う美術です。絵本の絵は、子どもに見つめられるに足る美術であって欲しい。そうやって、子どもに、美しいものへの感性を育てて生きたいと思う。(続く)